信頼できる厩舎とは ~「開成調教師の仕事」より(矢作芳人・著)~

批評

トップトレーナーである矢作芳人調教師の著書

「開成調教師の仕事」を読んで

改めて、矢作調教師の凄さと

愛馬を育ててもらいたい厩舎であることを再認識させられた。

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矢作調教師の馬選びの目

矢作調教師が考える、調教師の仕事は

「仕入れ」「出し入れ」「番組選び」とのこと。

そして「仕入れ」の比重が高くなってきているらしい。

 

広尾サラブレッド倶楽部でも、

矢作厩舎の所属馬は、必ず矢作調教師が自ら選んだ馬だ。

そして、本書に下記の言葉がある。

 

「三頭買って一頭当てろ」というのであれば、自信がある。

 

いやー。18年度産の広尾サラブレッド倶楽部の活躍馬

バスラットレオンとカイザーノヴァが、どちらも矢作厩舎なのは

凄いの一言。

 

いやぁ、ステラリード’ 20は少し高いかなと思ってスルーしたけど

突っ込むべきだったなぁ。(今更)

 

日高の矢作ライン

矢作調教師が入厩してくる2歳馬について、

「シュウジだから、ゲートは受かるから」

と、スタッフによく話すとのこと。

 

シュウジデイファームで育成された馬は

ゲート練習を十分に積んでいるらしい。

ただ、これも最初からではなく、矢作調教師が

育成牧場として付き合う中で、2、3年かけて熟成されたものとのこと。

 

ゲート試験に一発で受かることで定評のあったライバル牧場の名前を出して

「なぜお前にできないの?」と、挑発するかのように注文を付け

今のレベルにたどり着いたらしい。

 

これも、牧場長との信頼関係なくしてできない芸当だ。

 

そして、これは一例に過ぎず

細かく指示するわけでもなく、調教メニューのさじ加減についても

「阿吽の呼吸」で調整できているのだとか。

 

さらには、育成牧場から厩舎で、飼い葉のメーカーが変わると

馬のストレスになるかもしれないからという理由で

オリジナル飼料「ホースパートナー」に統一している。

 

いやぁ、そりゃ矢作厩舎は強いわけだよ…。

 

矢作厩舎には主戦騎手が存在しない

2014年の本であるため、現在は所属騎手である

坂井瑠星騎手、古川奈穂騎手への騎乗依頼の割合が多いが

所属騎手以外でみると、偏っている騎手は存在しない。

 

それは、騎手よりもレースを優先することがモットーであり

ギリギリまで検討して、出走レースを決定する。

そのため、事前に依頼をしていた騎手にも断ることがある。

本書には「福永騎手には「ごめんな。」と誤った」という記載もある。

 

相手が薄い、良いレースがあれば遠征も躊躇しないほど

レース優先で決めるとのこと。

なるほど、以前に私が独自で調べた下記データでも

矢作厩舎の遠征率は群を抜いている。

ここまで、やってくれれば

未勝利であっても納得せざるを得ない。

いや、感謝せざるを得ない。

 

矢作調教師も、

「ウチの馬は放っておかれた。」
「忙しい厩舎なのに最後までやってくれた。」
の違いが、積み重なって厩舎の評判になる

と述べている。

 

いやぁ、矢作厩舎一択しかないですなぁ・・・。

 

あとがき

本書には、他にも人材の育成論や現代の調教師像など

開成調教師である矢作芳人の考えが詰まっている。

是非、一読すべき本なので、手に取ってみてほしい。

では、最後に

我が愛馬である、カイザーノヴァをよろしくお願いいたします。

 

 

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